「経穴ゲートスイッチ理論」を運用することの一番の特徴は普通の技術の鍼灸師が最初の一鍼で相当の効果をあげることができる方法のひとつだということです。そこに鍼を刺す技術に関しては名人芸は要りません。ただし病証を弁別するちから・取穴のちから・流注の把握はよく磨いたほうがより効果的な治療を行えます。特に問診は大切です。
比較的病が浅い場合は初めの一本の鍼で症状が軽減したり消失したりします。実際の臨床現場では何本も刺してやっとこれだけなんていうのもありますが一鍼でここまでやれるというチャンスも少なからずあります。そのチャンスをみすみす逃す手はありません。「経穴ゲートスイッチ理論」はそんな時チャンスを逃しません。
まず問診によって病症がどの経絡から由来しているのかが解ります。その判断には流注をよく把握していることが役立ちます。次にその由来する経絡に影響を及ぼす経穴の中でどれを選ぶかを判断します。この判断にはその臨床家のセンスや経験などが活かされます。
私はこの選穴を「宝探し」と思っています。
それはどの経穴を使うかで一鍼目の効果が全然違うからです。やはり効果が大きい方が患者さんからの評価も違ってきますから経穴選びはとても大切です。