鍼灸治療の効果には個人差があります。その理由は一人ひとりの持つ「自動調整力の大きさ」と「自動調整機能の働きの度合い」の差だと思います。

具体的に言えば「自動調整力」が100pointある人より200point持っている人の方が治癒力は有りますし「自動調整力」が200pointの人でも「自動調整機能の働き」が100%機能している人と40%しか機能していない人であれば治癒力に大きな差が出ます。後者は「自動調整力」が100pointの人よりも治癒力が劣るかもしれないのです。

鍼治療の効果に個人差があるのにはこのような理由によることもあります。

さて私が鍼灸師として出来ることは「自動調整機能」が充分に働かず病や怪我を治せないでいる人に鍼灸を施して「自動調整力」を100%引き出すことです。しかし、私は名人ではないので100%以上は私の力では作り出せません。しかし多くの患者さんは「自動調整力」に延び幅を持っておられます。つまり「自動調整力」を現在100pointしか持っていない方でも「生活習慣の改善」「湯液療法」「適度な運動」等々を実践することで「自動調整力」が120pointになったり200pointになったりするのです。その増えた分だけは私が有効に引き出すことが出来るのでその分治療効果が上がります。

しかし「生活習慣…」等々諸々のことは患者さんご自身が主体的に実践していただかないと全く結果を得ることが出来ません。しかし実践したあかつきには必ず何がしかの「自動調整力」の増加をみます。それが判っている私としては「伸び幅」を持つ患者さんにはあれこれ注文が多くなってしまいます。

「さあ!歩きましょう!」「さあ!腹七分ですよ」「さあ!筋力を」・・・です。

以上が私が注文の多い鍼灸師である由来です。