鍼治療の可能性(Part1)では鍼をするという行為から生まれる可能性を鍼の技術面に絞って書いたが鍼治療にはもうひとつ可能性がある。

人間が持っている「自動調整能力(自然治癒力)」を最大限引き出せるかもしれないという可能性だ。

つまり、下図のように患者さんが病を克服できるだけの生命力(自然治癒力・自動調整能力)を持っていてもそれが100%機能していなければ治る病も治せない。
そこで鍼治療を施すと機能していなかった分が機能し始めるので治癒に向かうことができるようになると言う可能性だ。

治癒力01

しかし、病が患者さんの生命力を上回っている場合はいくら鍼治療をして100%機能させることができたとしても治癒に向かわせることはできない。

しかし、食養生・運動療法や環境整備をすることで患者さんの生命力に伸びしろができる可能性があればそれを実行することによって治癒に向かわせることができるはずだから勢い注文の多い鍼灸師になってしまいます。

治癒力02


鍼治療で何でも病が治るとは決して言わないけれど鍼治療の可能性は信じている。
ただこの可能性はどこまで行っても患者さんの生命力と養生の実践が頼みであることには変わりない。