古くから劇症の急性疾患に著功を示すと言われる子午治療の根拠となるのは素問天元紀大論篇第六十六、五運行火論篇第六十七、六微旨大論篇第六十八、気交変大論第六十九、五常政大論第七十、六元正紀大論第七十一、至真要大論第七十四の七篇ですがこの七篇をまとめて「運気七篇」と言います。この「運気七篇」中の子午関係の理論を臨床に応用したのが子午治療です。 簡単に言うと十二経絡を十二支に配当し時刻と経絡の関係を明かにし更に対角の干支関係を(例えば子と午の関係)臨床に応用したものです。特に劇症の急性疾患の時に応用すると驚くほどの効果をみることがあります。しかし劇症と言うほど症状が激しくなくても症状が特定の経に限局しているもので比較的に症状の発現の時期が新しいものについてはこの子午治療を試してみる価値はあります。
具体的にはある経に病症が限局して発現した場合その経と子午関係にある経に治療穴を求めて施術します。治療穴は病症と反対側(健康側)で主に絡穴に求めますが状況によっては絡穴以外の経穴に治療穴を選ぶこともあります。
出典に厳密に倣うならばその時刻などの条件も揃わなければ適応する病症ではないと言うことになりますが実際の臨床では時間に関してはあまり厳密にとらわれることはないと思います。
ほとんどの場合、治療の第一鍼に選択される理論ですが治療中に新たに出現した一時的病症を取り除くことにも有効に働きます。
子午治療を経穴ゲートスイッチ理論に基づいて治療の最初の第一第二鍼として運用する場合はその前に立てた治療方針が妥当であるかを確かめる方法としても有効です。具体的には、もし選択した経穴によって何も病症的変化が無い場合は患者さんの訴えていた病症が最初に考えていた経に由来しない確率が高いということを示しています。
つまり第一第二鍼の結果を診ることは病症がどの経由来かを確かめる検査としても位置づけられるので検査と治療の両方を兼ね備えていることになるとても都合の良い方法です。
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「臨床経絡」入門
1.経穴ゲートスイッチ理論(仮説 はじめに)
2.十二の都市を持つ国の話(経穴ゲートスイッチ理論による)
3.気 論
4.十二正経と奇経と経穴の関係
5.経穴ゲートスイッチ理論(仮説-本論)
6.補瀉論・・・「経穴ゲートスイッチ理論」による
7.「経穴ゲートスイッチ理論」の実践
8.代表的なスイッチ(経穴)群
9.実 技
10.四診法
11.脈診
12.比較脈診法
13.五 行
14.生 理
15.流 注
16.病 症
17.奇 経(督脈)
18.奇 経(陽蹻脈)
19.奇 経(任脈)
20.奇 経(陰蹻脈)
21.奇 経(帯脈・陽維脈)
22.奇 経(衝脈・陰維脈)
23.八脈交会八穴歌
24.子 午
25.難経(一難~二十難)
26.難経(二十一難~五十難)
27.難経(五十一難~八十一難)
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