Covid-19ワクチン(以下ワクチン)の副反応軽減に疎経活血湯が有効だと言うことはこの一年の経験で確信していたがCovid-19(以下コロナ)の変異のスピードがとてつもなく早いので果たして治療薬として有効であるのかは確信が持てずにいた。
変異がなければ治療薬として充分に利用価値があるのはみえていたがオミクロン株に至ってはワクチンは感染予防には役立っていない印象が強いので当然「疎経活血湯」も効果がない可能性はあった。
しかし、そうなるとオミクロン株は「全く別物のウイルス」として扱った方が妥当だと言うことになる。
オミクロン株以前は「全身性血管炎」をきたすウイルスであったものが何回も変異を繰り返した結果、主に上気道炎から始まる熱性の感染症になってしまったかもしれないとも考えられるからだ。
もしそうであれば「疎経活血湯」は治療薬としては第一選択肢ではなくなる。
しかし、ワクチンは相変わらず初期のウイルスを基にして作られているので副反応軽減目的に使うのであれば「疎経活血湯」はまだ有効だと思っている。(今秋にはオミクロン株ベースのワクチンが出てくる)
だから、当初、オミクロン株以降の治療薬としては喉の痛みと発熱が初期症状だと言うことを鑑みれば第一選択肢は「小柴胡湯加桔梗石膏」が妥当なのではないかと考えていた。
しかし、私の臨床現場で自分の目で確かめられるのは今までは予防接種後の患者さんの状態に限られてきたので治療薬として果たして「疎経活血湯」と「小柴胡湯加桔梗石膏」のどちらがより妥当なのかは判断ができないでいた。
ところがオミクロン株以降は感染の広がりが大きく流石に私の周りにも感染者が頻繁に出てくるようになった。
また、オミクロン株に感染した人で後遺症が残ったケースの報告が沢山上がってくるようになると軽症の場合はいかにも普通の上気道炎のように見えるが重症化したり後遺症が残ったケースをみればやはり「血管炎」が引き起こされた結果によるのだなと想像するようになった。
一例だが、先週初めコロナに感染した患者さんに「発熱がある間は疎経活血湯を連続服用してみては」とアドバイスしてみた結果、倦怠感はなく発熱はあるが最高38.5℃止まりでそれも初日だけで、それから2日間は37℃台4日目には36℃台に下がってしまった。
最後まであったのは喉の痛みだった。
これらのことから考えつくのは予防接種の副反応軽減の為だけでなく、治療と後遺症予防のためにも「疎経活血湯」がまだ有効に働くようだということ。オミクロン株以降の感染で喉の痛みがある時は「桔梗石膏」を併用するのがより良いのではないかと思うようになった。